先に結論|損益分岐ACOSは商品ごとの広告前利益で決まる

Amazon Ads公式では、ACOSを「広告費÷広告収益×100」と定義しています。広告費が600円、広告経由売上が3,000円ならACOSは20%です。数字が低いほど広告売上に対する費用は小さくなりますが、低ければ必ず良いとは限りません。

Amazon Ads公式は、良いACOSに決定的な数字はないと説明しています。黒字かどうかの境目は商品の利益率で変わります。仕入原価だけでなく、Amazon販売手数料、FBA配送代行手数料、納品費、保管費などを引いた後の広告前利益を使ってください。

  • ACOSは、広告費を広告経由売上で割った割合です。
  • 損益分岐ACOSは、広告前利益をすべて広告に使ったときの上限です。
  • 同じカテゴリーでも、原価やFBAサイズが違えば上限は変わります。
  • Amazon全体の平均ACOSではなく、商品別に計算することが重要です。

損益分岐ACOSを3ステップで計算する

まず、広告費を除いた1個あたり利益を出します。式は「販売価格−仕入原価−Amazon販売手数料−FBA配送代行手数料−その他コスト」です。自己発送の場合はFBA料金ではなく、実際の送料と梱包費を入れます。

次に「広告前利益÷広告売上×100」で損益分岐ACOSを求めます。広告前利益900円、広告経由の販売価格3,000円なら、900円÷3,000円×100で30%です。ACOSが30%なら利益0円、30%を超えると広告経由注文は赤字になります。

  • 販売価格から、広告費以外の変動費と1個あたり固定費を引きます。
  • 広告前利益を広告経由売上で割り、100を掛けます。
  • 返品、値引き、ポイントなどがある場合は、実績に近い売上と費用へ直します。
  • ECファイターズのAmazon利益計算では、広告費を入れずに先に商品利益を確認できます。

ACOS20%・30%・35%で残る利益を比較する

販売価格3,000円、広告費を除いた利益900円の商品で比較します。広告経由売上が1件3,000円なら、ACOS20%の広告費は600円、30%は900円、35%は1,050円です。ここから広告後利益を確認します。

損益分岐の30%は目標値ではなく、利益がなくなる境界です。広告を継続しながら1件あたり300円を残したいなら、使える広告費は600円で、目標ACOSは20%になります。

ACOS20%
広告費600円、広告後利益300円で黒字です。
ACOS30%
広告費900円、広告後利益0円で損益分岐です。
ACOS35%
広告費1,050円、広告後利益マイナス150円です。

利益を残す目標ACOSは損益分岐より低く設定する

目標ACOSは「広告前利益−残したい利益」を広告売上で割って求めます。広告前利益900円から300円を残すなら、広告へ使える上限は600円です。販売価格3,000円で割ると、目標ACOSは20%になります。

新商品で認知やレビュー獲得を優先する期間は、損益分岐に近いACOSを許容する判断もあります。ただし、期間、予算、終了条件を先に決めてください。自然検索を含む全体売上への波及を確認する場合も、広告経由ACOSと商品全体の利益を混ぜずに記録します。

  • 利益重視なら、損益分岐ACOSから残したい利益率を差し引きます。
  • 売上拡大が目的でも、赤字を許容する期間と総額を決めます。
  • ACOSとROASは逆数で、ACOS20%はROAS5、ACOS25%はROAS4です。
  • 広告経由の指標と、商品全体の売上・利益は分けて確認します。

商品別の目標ACOSを決める5ステップ

広告キャンペーン全体の平均だけでは、黒字商品と赤字商品が相殺されます。商品別に広告前利益と目標ACOSを計算し、キャンペーンや広告グループの単位をそろえて比較してください。

Amazon Adsではアカウント、キャンペーンのレポートに加え、広告タイプによって商品やキーワード単位のレポートも利用できます。設定を変更した後は短期間の数字だけで結論を出さず、クリック、注文、広告売上、返品を同じ期間で確認します。

  1. 商品別に販売価格、仕入原価、Amazon手数料、FBA費用、その他コストを集めます。
  2. 広告費を除いた1個あたり利益を計算し、損益分岐ACOSを出します。
  3. 残したい利益額を決め、商品別の目標ACOSへ変換します。
  4. 広告レポートを商品・キャンペーン・キーワード単位で目標と比較します。
  5. 入札や除外設定を変更し、売上だけでなく広告後利益で結果を確認します。

Amazon広告のACOSでよくある5つの誤解

ACOS30%が良いという一般論を、原価や手数料が異なる全商品へ当てはめてはいけません。また、粗利率30%でもAmazon手数料やFBA費用をまだ引いていなければ、その30%は損益分岐ACOSには使えません。

ACOSが目標を超えたからといって、すぐ広告を停止するのも早計です。計測期間が短い、広告売上の反映が途中、認知目的の商品が混ざるなどの例外があります。目的と期間をそろえたうえで、広告後利益と注文数を一緒に見て判断します。

  • ACOSの目安は、全商品一律ではありません。
  • 仕入原価だけを引いた粗利率では、広告の上限を高く見積もります。
  • 損益分岐ACOSは、利益を確保できる目標値ではありません。
  • ROASだけを見ても、商品の原価や手数料は分かりません。
  • キャンペーン平均だけでは、商品別の赤字を見落とすことがあります。

よくある質問

Amazon広告のACOSは何%なら良いですか?

一律の正解はありません。Amazon Ads公式も、良いACOSは業界、会社規模、キャンペーン頻度などで異なると説明しています。商品ごとの広告前利益率を損益分岐とし、残したい利益分だけ低い目標ACOSを設定してください。

損益分岐ACOSと目標ACOSは同じですか?

同じではありません。損益分岐ACOSは広告後利益が0円になる上限です。目標ACOSは、そこから残したい利益率を差し引いた値です。損益分岐30%で利益を10%残すなら、目標ACOSは20%が目安になります。

ACOSとROASはどちらを見ればよいですか?

どちらも広告費と広告売上の関係を表し、ACOSは広告費÷広告売上、ROASは広告売上÷広告費です。ACOS20%はROAS5に相当します。社内で判断しやすい方を使えますが、最終的には商品原価と手数料を含む利益も確認してください。

広告費をAmazon利益計算へどう入力しますか?

ECファイターズのAmazon利益計算では、1個あたりの広告費を「その他コスト」へ入れます。先に広告費0円で広告前利益を確認し、次に目標ACOSから算出した広告費を加えると、広告後に残る利益を比較できます。

ACOSが損益分岐を超えたら広告をすぐ止めるべきですか?

必ずしも即停止ではありません。計測期間、注文や売上の反映状況、新商品の認知目的、自然検索への波及を確認します。ただし、赤字を許容する期間と予算は事前に決め、終了条件を超えた広告は入札や対象を見直してください。

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